練太郎で混ぜてみました ~スイーツに挑戦編~
2021/04/26
久しぶりに「混ぜてみました」シリーズをお届けします。
今回はあわとり練太郎 ARE-310を使って材料を混ぜ、スイーツを作ってみました。
シンキーでは、装置の新しい用途の可能性を模索しております。あわとり練太郎の特徴である、短時間で均一撹拌が可能である、密閉処理で清潔を保てる、撹拌熱による加温効果があるという点が調理に活かせるのではないかという話になり、今回の実験に至りました。
練太郎でレアチーズをつくったらどうなる?
今回はクックパッド®で見つけたレアチーズのレシピを使います。レアチーズは調理の要が“撹拌”なので、撹拌機を使用するのに適している、混ざり具合が美味しさに直接影響するので、食べて検証する部分でも舌触りなどがわかりやすそうです。
ARE-310の標準容器容量は300mlなので、元のレシピの分量で作ると容器から溢れてしまいます。レシピを装置で処理できる量に計算し直し、それぞれの材料のグラムを合わせます。
あらかじめ材料を計量しておきます。
ヨーグルトは水分が多いため、塩ひとつまみ(分量外)をまぶし、ペーパーの上で軽く脱水しておきます。
試作を行った結果、以下の手順だと問題なくレアチーズができることがわかりました。
クリームチーズのみを撹拌[1分/2000rpm]
↓
残りの材料を追加し撹拌[1分/2000rpm]
↓
一晩冷やして完成
ポイントは、予備撹拌として先にレアチーズのみを撹拌し、柔らかくしておくことです。レアチーズとそれ以外の材料をスムーズに混ぜるための予備撹拌ですが、今回はもう一点メリットがあります。実際のレシピでは、調理の前にあらかじめクリームチーズを冷蔵庫から出し常温に戻しておくという工程があり、予備撹拌によりこれを省くことができます。(すべての材料を一度に撹拌する方法も試しましたが、クリームチーズと他の材料との粘性の違いが大きすぎたため、うまく混ざりませんでした)
今回は材料の様子がよく見えるように、黒い色のついた遮光容器を使用します。
※遮光容器の本来の用途としましては、光に当たると反応が進んでしまう材料を撹拌したいとき等にご利用いただいております。
練太郎にクリームチーズが入った容器をセットします。
装置の蓋をして、撹拌時間1分、回転は2000rpmで撹拌をスタートします。
撹拌が終わったら、いったん取り出します。
撹拌熱が適度に作用し、艶のあるなめらかなクリームチーズになりました。
次に、残りの材料をすべて入れます。
そのまま装置のふたをして1分間撹拌し、取り出して冷蔵庫で冷やして完成の予定でしたが、2度目の撹拌をスタートさせたところでスタッフがゼラチンを加え忘れているのに気づき、装置を止めます。
加え忘れていた水でふやかしたゼラチンを追加します。
途中で止めたので、残り30秒で追加したゼラチンを撹拌します。
すべての材料を混ぜたあとの様子がこちらです。
表面がつやつやしていて、容器を持って傾けてみても均一に混ざっていそうです。
これを冷蔵庫で一晩冷やして完成です!
練太郎で撹拌したレアチーズ完成!お味のほどは…?
一晩冷蔵庫で冷やしたレアチーズを容器から出してみました。
切って断面を確認してみました。
練太郎で撹拌したことで、材料がムラなく混ざって均一になっているのが断面からわかります。脱泡効果により、見た目は何となくどっしりとした印象です。
社内にいた社員に試食してもらいました。
社員A「さっぱりしていておいしい。なめらかな感じがコンビニスイーツにありそう」
社員B「ヨーグルト風味が強い。硬さを調整してクレープで巻いても美味しそう」
味は好評で、他にも撹拌時にベリーソースも一緒に入れてはどうか、グラノーラも加えて撹拌すれば適度に砕けて食感も一緒に楽しめるのではないか等のアイディアが出ました。どうやったらもっと魅力的なスイーツになるか、という会話はとても撹拌機メーカーとは思えない会話ですが、それは実験結果がスイーツとして成立していなければ生まれない会話です。なめらかさや均一さ、適度な加温を伴う調理は、あわとり練太郎で実現できることがわかりました。
今回の実験から
ARE-310でレアチーズ作りは可能であるとわかりました。
調理の際は、各材料の粘度の差による混ざりムラを避けるため、先にクリームチーズを予備撹拌することで均一に混ぜ合わせることが出来ました。撹拌熱が適度にクリームチーズを柔らかくしてくれ、当初の予想通り短時間での調理に成功し、嬉しかったです。うまくあわとり練太郎の特性が活かされる結果となりました。
ボールに入った材料を泡だて器で混ぜて・・・といったスイーツを手作りする良さとは全く違った調理ですが、切ったときには練太郎らしい気泡のない詰まった断面を見ることが出来て一安心しました。
食品業界では、撹拌といえば適度な泡を入れることで口当たりが柔らかくなり、美味しさにつながるという考え方があります。練太郎とは真逆ですが、今回練太郎で混ぜたレアチーズはどっしりとした食べ応えがあり、また違った美味しさを発見できたようにも思います。
もし万が一シンキーがカフェをオープンするようなことがあれば、レアチーズは看板メニューになりそうです。その時はぜひ一度お立ち寄りください。