粉砕物の粒度評価法
2018/05/31
粉砕前後のサンプル粒度を粒度分布計により測定することで、サンプルがどの程度の大きさまで粉砕できたか確認をします。粒度分布計の種類はいくつかありますが、弊社では、比較的広い範囲の粒度測定が可能な「レーザー回折・散乱法(以下、レーザー回折法)」を採用しております。
レーザー回析法の粒度分布計の概要
NP-100でサンプルの湿式粉砕を行なった後、レーザー回折法の粒度分布測定を行います。
レーザー回折法とは
サンプルにレーザー光を照射し、回折/散乱光の強度パターンからサンプルの粒子径分布を求める方法です。よって、粒度分布を求める過程で、理論と測定値の両者の散乱パターンを比較させる必要があり、測定の際に、溶媒の屈折率、サンプルの屈折率が必要となります。粉砕テストをご依頼頂く際には、これらの屈折率をお尋ねしています。
粒度分布測定した結果の見方
実際に、サンプルの粒度を測定した結果は以下のようになります。
レーザー回折法では、「D10、D50、D90の数値」(横軸)と「体積基準(Volume(%))の値」(縦軸)はそれぞれ以下の数字を示しています。
D10:これ以下の粒子の比率が10%である粒径
D50:粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さい粒径。
別名メディアン径と呼ばれる。
D90:これ以下の粒子の比率が90%である粒径
体積基準:表示された粒度分布の最も高い体積基準値
次に直径の異なる3つのジルコニアボール(0.1, 0.3, 0.5mm)でそれぞれサンプルを粉砕した時の結果を示します。
上のグラフから、D50は近似しているものの、D90の値とVolume(%)の値が異なります。
この結果からは、ジルコニアボールの粒子径が小さいほど、到達粒度は小さく、均一なものになっている事がわかります。このように粉砕時のパラメータを検討し、到達粒子径が小さくかつ均一になる条件を検討します。
粉砕前(原末)と粉砕後(推奨レシピ)の粒度の比較を行い、最終データとします。