容器・アダプター開発者が語る(後編)「お客様の声を生かした製品づくり」
2014/11/06
※本記事は過去に配信したメールマガジンの内容です。内容は配信当時のものとなります。
前号では、「特注品製作の極意」と題して、弊社の容器・アダプター開発者である笈川 正宏のインタビューを紹介し、ご好評をいただきました。今回も引き続き笈川へのインタビューを後編としてお送りします。
Contents
1.シンキーで特注アダプターを製作するメリットとは?
最近、お客様から「シンキーはアダプターをちゃんと作ってくれるから良いね」という声をよくいただきます。容器やアダプターというのは、お客様の課題を正確に理解した上で製作しなければいけません。その品質の高さと製作スピードは、長年の経験がないとできないことなので、シンキーの強みの一つと言って良いと思いますね。
昔は撹拌と脱泡を同時にできるというだけで賞賛してもらえました。でも今では自転・公転ミキサーの技術は広く認知されるようになりました。そうすると、より高性能で、より耐久性の高い製品を提供して、さらにお客様の満足を高めていく必要があります。
2.そうやって製品をより良いものにしていくわけですね。
せっかくお客様の目的にあった特注アダプターを作っても、それがきちんと機能しているのかを確認しないと意味がありませんよね。シンキーではミキサーを納品した後にスタッフが使用状況を確認しています。そのときに、特注アダプターのこともしっかりヒアリングしてもらって、フィードバックを受けています。
3.フィードバックによって発見することも多い?
当然のことですが、機械の使い方は現場で日々変化していくものです。お客様の製品の生産量や稼働率が上がって弊社の機械の使用頻度が何倍にもなったり、同じ会社の別のセクションの人が全く違う使い方をしていたりすることもあります。アダプターの製作時と使用方法が変わっているにもかかわらず、不便さを我慢して使っていたということが、ヒアリングによってわかる場合があるのです。
しかしそういうことも、以前アフターフォローに手がまわらなかった時代には気が付きませんでした。不便な上に、最悪の場合は機械の不調につながり、お客様に残念な思いをさせてしまうこともありました。お客様からのフィードバックをいただいて、満足していただけるよう、さらに改良。その繰り返しですね。
余談ですが、混ぜるという機能は満たしていても、「使いづらい」とか「手間がかかる」 というのを、使い方のテクニックによって改善できることもあるんですよ。
4.具体的には?
シンキーのミキサーは400Gの負荷に耐え得る高速回転ができるのですが、実はゆっくり回転させる方がうまく混ざる材料もあります。最初はゆっくり回転させて、次に高速、最後にまたゆっくり、という具合に混ぜると、うまいこと行ったりね。使い方のアドバイスであっさり課題が解決できることもありますよ。
5.ミキサーの性能をよく知っているからこそのアドバイスと言える?
ミキサーの技術が浸透して、当たり前だと思えば「どうしてそういう形をしているのか」ということにあまり疑問を持たれない。例えば、どうしてミキサーの中で容器が45度に傾いているかご存知ですか? それにはきちんと理由があるのです。それは容器の縦横比が同じ場合、45度に傾かせれば容器内で材料の断面が一番大きくなって、混ざりやすいからです。だからできるだけ縦横比が1対1に近い方が良いんです。それを知ってるのと知らないのとでは、容器の作り方に差が出てくるのも当然です。
6.最後に、瞬時に改善のアイデアがでてくる、その秘訣は?
昔はアイデアなんてまったく思いつきませんでした。私の上司は、アイデアマンとしては天才でした。寝ている時に、夢の中でアイデアが湧くんです(笑)。昔は信じられなかったけど、今は少しわかる気がします。それは「いつも頭の中で考えている」ということなんだと思います。それをずっと続けていると、だんだん鍛えられてきて、アイデアが湧くようになってきます。