粘度あれこれ~目で見て比べる粘度の違い~
2019/03/27
粘度(viscosity)とは
粘度とは、流体の「ねばりの度合」の事を言います。
表現方法も材料や用途によって様々で、身近なものでは、水、はちみつ等食材の「とろみ」、ハンドクリームの「クリーミーさ」、インクの「なめらかさ」等も粘度で表すことができます。
一般的には液体等の流体が持つ性質とされていますが、固体にも用いられることも有ります。
粘度の単位
粘度を表す単位は、Pa・s(パスカル秒)やmPa・s(ミリパスカル秒)が使用され、数値が大きいものほど粘性による力が強いことを示しています。また、従来の単位として、CP(センチポアズ)も使用されています。
さまざまな材料の粘度
我々の生活に身近に存在している様々な材料の粘度をグラフに並べてみました。
※グラフは、一定の条件での大凡の数値を表しています。温度、量、成分等によっても粘度は変化する事がありますのでご留意ください。
シリコーンを使って粘度を体感
今回の実験は、粘度の異なるシリコーンを用意し、材料の粘度ごとにどのような特徴があるのか、上から垂らしたり、手撹拌して比較しました。用意したシリコーンの粘度は、1.5mPa・s、100mPa・s、1,000mPa・s、10,000mPa・s、100,000mPa・s、1,000,000mPa・sの6種類です。
1.上から垂らしてみる
同じ分量のシリコーンを容器に入れ、アームで傾けて上から垂れていく様子を観察しました。
粘度が10,000mPa・s以上では、流れる速度が遅くなっていき、1,000,000mPa・sのシリコーンは、垂れ始めるのに2分近くかかりました。
2.手で混ぜてみる
1,000,000mPa・sのシリコーンを容器に入れ、手撹拌してみます。
粘度1,000,000mPa・sだと、手撹拌するのにも相当力が要ります。また、混ぜる際に材料にどんどん空気が入り泡だらけになっていく様子がわかります。
3.せっかくなので泡を取り除いてみる
3-1.自然放置でどれくらい時間がかかるか?
ビーカーに手撹拌した1,000,000mPa・sのシリコーンを取り、泡がなくなるまで放置します。結果、見た目で泡が無くなるのに2日かかりました。粘度のある材料は、泡を完全に除去する事は、非常に時間がかかります。
3-2.あわとり練太郎ARV-310で混ぜてみる
次に真空タイプの練太郎ARV-310の出番です。1,000,000mPa・sのシリコーンが入った容器を練太郎にセットします。回転が始まると真空減圧により、すぐに泡がモコモコと浮き上がってきますが、公転の遠心力によって噴きこぼれる事は有りません。時間の経過とともに泡が取れていく様子を見る事ができます。
※撮影環境の都合により、一部動画に見えにくい部分が有ります。ご了承ください。
3-3.手撹拌と練太郎の結果を比較
最後に、手撹拌と練太郎で撹拌した二液性シリコーン樹脂を硬化させて撹拌のサンプルを作成しました。
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