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大型機で! 廃油石けん作りに挑戦2 ARV-3000TWIN編

大型機で! 廃油石けん作りに挑戦2 ARV-3000TWIN編

またまた廃油石けん作りに挑戦 ARV-3000TWIN編

シンキーのミキサーは歯科治療の印象材として使用されるアルギン酸を練るためのミキサーの開発からスタートしました。
その確かな撹拌力から、材料開発等、他の分野にも用途が広がり、今日では、お客様の用途、ご要望にあうように各種ミキサーをラインナップしております。
今回はその中から4L容器を2個掛けできる大型機ARV-3000TWINを使った廃油石けん作りをレポートします。

廃食用油とNaOH(苛性ソーダ)と水を混ぜることで石けんができます。
「天ぷら油で石けん作ってみました」(ARE-310編)では、石けん作りとシンキーのミキサーとの相性がよいという結果が出ました。

ネットで紹介されている廃油石けんのレシピは様々ですが、油の量は500ml以上のものが一般的です。前回は「ARE-310の処理量に合わせて」500mlのレシピを100mlに換算して試しました。
ARV-3000TWINで実用的なレシピ通りの分量のスケールアップに挑戦です。

今回、ARV-3000TWINでは油 500ml、比較実験として前回と同量の油 100mlでARE-310と真空タイプのARV-310、手撹拌でも石けんを作ってみました。

ARV-3000TWINはH1600×W1330×D1015(mm)、約 700 kgの大型ミキサーです

ARV-3000TWINはH1600×W1330×D1015(mm)、約 700 kgの大型ミキサーです。

廃油石けん 〜あわとり練太郎石鹸レシピ〜

あわとり練太郎石鹸レシピその1
あわとり練太郎石鹸レシピその2

ARV-3000TWINで廃油石けん作り! 〜撹拌終了まで〜

廃油の油かすを油こしでこします。大量のNaOHは容器に入れて測量

4L樹脂容器に油を入れます。廃油特有の油かすは油こしでカット!
NaOHも薬包紙では間に合わない量になりました。

油にNaOH水溶液を入れるとすぐに鹸化が始まり、撹拌前から白く濁った層ができています。

牛乳パックで水とNaOHを混ぜました。とても熱いので、耐熱グローブを使用しています。
油にNaOH水溶液を入れただけですぐに鹸化が始まり、撹拌前から白く濁った層ができています。

ARV-3000TWINに4L樹脂容器をセット

温度は74℃からスタート。ARV-3000TWINにセットします。
ARV-3000TWINには真空機能がついていますが、今回はARE-310に合わせて真空を引かずに撹拌します。

ARV-3000TWINの操作はタッチパネル。撹拌中の詳細なログデータがリアルタイムでモニタリングできます

ARV-3000TWINの操作はタッチパネルです。(便利!)
撹拌中の詳細なログデータがPCで管理できます。リアルタイムでモニタリングができるのがいいです。
量が多いためか、ARV-3000TWINでの撹拌は安定して70℃〜50℃の高い温度を保っていました。(100mlのものはすべて撹拌中に30℃台まで落ちました。)

ARV-3000TWIN で10分撹拌するとシチュー状の仕上がりに

ARV-3000TWIN で10分撹拌すると、まさにシチュー状に仕上がりました。食べないように注意!

比較実験 ~ARE-310・ARV-310・手撹拌の3通りで比較!(油100ml)~

手撹拌で40分(左)とARE-310で10分(右)撹拌したもの

手撹拌で40分(疲れた!)(左)とARE-310で10分(右)撹拌したもの。
見た目もたいぶ違います。

ARV-310では真空を引きながら10分撹拌。泡がなく、白さが落ち着いてツルッとした仕上がりに

ARV-310では真空を引きながら10分撹拌しました。真空を引きすぎると室温でも水が沸騰しますので、今回は真空度を弱めています。泡がなく、白さが落ち着いてツルッとした仕上がりになりました。

乾燥中の様子

屋外で容器に入れたまま4ヶ月間充分に乾燥させました。(決して忘れていたわけではありません。汗)
ARV-3000TWINで撹拌したものも、他と同じ300ml容器で同程度取り分けたものも作成しました。

シンキーでは、機械の性能・機能維持と、何よりもお客様の健康と周囲環境の健全化のため、ご用途に合ったタイプの冷却トラップの設置と、お取り扱い材料にあった配管への変更をおススメしています。

結果 〜4ヶ月乾燥後〜

直径17cm、約900gの大きな石けんができました

さすが4Lのトスロン容器で作る石けんはダイナミックです! 表面は白くなり、直径17cm、約900gの大きな石けんができました。(外で乾燥させていたので、塵が黒く見えています。)

切断面
石けんの切断面の比較画像

若干③のARV-310に光沢があるような気がします。触り心地も他に比べると若干スベスベしていると感じました。
④の手撹拌の石けんは、ミキサーで混ぜたものよりも若干ベトつきを感じました。

硬さをARE-310編と同じように箸を刺して確認しました。
石けんの硬さの比較画像

④の手撹拌のものが若干他よりも容易に刺さりましたが、練太郎で撹拌した石けんはどれも硬く、大きな差はありませんでした。

今回の実験から

全体的に大きな差はありませんでしたが、40分もかけたので手撹拌も充分撹拌されているように思っても、箸を刺すとミキサーで作ったものよりも柔らかく、未反応の部分があることが再確認されました。

本来、石けん作りは釜だき製法など油の温度を高い状態にして撹拌する方法で作られますが、廃油石けんづくりはコールドプロセス製法というNaOHが水に溶ける際の反応熱を利用して鹸化をすすめています。つまり石けん作りは撹拌だけでなく、温度が大きく関係しています。

今回は同じ10分の撹拌なのにARV-3000TWIN の500mlのものとARE-310の100mlのものでは、量の多いARV-3000TWINの方がしっかりとトレース状態の確認ができました。ARV-3000TWINは処理量が多いことで材料の温度変化が少なく、反応も安定したように思います。

また、石けんなので鹸化中も、撹拌すれば泡立ちがでるようです。真空タイプのあわとり練太郎ARV-310で撹拌することで脱泡されることを目視レベルで感じました。
今回の実験では使用していませんが、ARV-3000TWINも真空機能がついた真空タイプのあわとり練太郎なので、大容量でもより強く脱泡をしながらの撹拌が可能です。

左:撹拌後のトレース 右:ARV-3000TWINでの撹拌結果を確認する

職人技が必要という石けん作りですので、まだまだ奥が深そうですが、今回の石けん作りでも真空タイプや大容量のあわとり練太郎は、より簡単に品質を上げるのに役立ったのでは、と感じました。
廃油は状態が不確かな材料ですが、材料を他の油に変えたり、他の製造方法だったり、まだまだ石けん作りにはおもしろそうなテーマがありそうです。今度はアロマオイルを入れたり、真空を引いた石けん作りでより高みを目指してみようかと検討中です!

このようにシンキーでは各種ミキサーをご用意しております。お客様のアイディアで用途にあった機種を見つけてご活用いただければ幸いです。

※今回作った石けんは、スタッフで大事に使わせていただいています。
脱脂力が強力な石けんなので、使用時にはゴム手袋を推奨します。(ARE-310編「おまけ 手洗い編」ご参照ください)

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